Orange County Buddhist Church

法に出逢えるご縁

 ある日のこと、お釈迦さまがお弟子の阿難陀を連れて河の岸を歩いておられました。お釈迦さまはフト立ち止まって阿難陀におっしゃいました。

「アーナンダ、お前の足元の河の砂をすくい上げてごらん」

阿難陀は、何のことかと思いながら右手で砂をいっぱいすくい上げました。するとお釈迦さまは

「お前の手のひらの砂と、このガンジス河の砂とはどちらが多いかね」と尋ねられました。

阿難陀は「それは、河の砂の方がずっと多うございます」と答えました。お釈迦さまは続いて

「その通りだよアーナンダ、この世界に生きているものは沢山いるが、人間に生まれるものはお前の右手の中の砂ほどの僅かなものだけなのだよ。それほど幸せなことだと深く感謝しなければならない」とおっしゃいました。

お釈迦さまは、さらに阿難陀に

「アーナンダよ、今度は手のひらの砂を静かに落としてごらん」とおっしゃいました。

阿難陀は砂を握っていた手を開き、ゆっくりと砂を手のひらから落としました。お釈迦さまは

「アーナンダ、手の上に残っつた砂があろう、それはわずかな数の砂である。仏法に出逢える人の数は、丁度その手のひらに残った砂のように実に貴いものだよ」と云われました。

明るい太陽のもと涼しい風が河にそってやわらかに吹いています。お釈迦さまと阿難陀の会話は続きます。

「アーナンダよ、今度はお前の手のひらを両手ではたき、手のひらに残っている砂をはらってごらん」と云われました。

阿難陀は早速、自分の手のひらに残っている砂を両手ではたき落としました。お釈迦さまは

「アーナンダよ、よく見てごらん。それでもまだ僅かな砂が指の間や、爪の中にも残っているだろう。その僅かな数の砂が、丁度お念仏を慶ぶ人の数にあたるのだよ」とおっしゃいました。

再びお釈迦さまと阿難陀は美しいガンジス河のほとりをお念仏しながらゆっくり歩いていかれました。そして、二人の姿が小さくなるまで花や鳥や魚までも見送りました。

合掌    宮地

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