Orange County Buddhist Church
お 彼 岸
私たちは、よくカリフォルニアには四季がないと言います。しかし、空に草花や木や小さな虫などにもはっきりと春夏秋冬が見られます。
自然というものは、常に私たちに恵みを与えてくれるということを感じるのが、お彼岸の時季です。
ご存じのように日本では、「暑さ寒さも彼岸まで」と申します。このオレンジ郡地方にも秋の気配を感じさせてくれる今日この頃です。
一般にお彼岸は、日本のカレンダーの春分の日・秋分の日を中心にした七日間をいいます。各仏教会では、この期間にお彼岸法要が営まれます。
彼岸という言葉は『大無量寿経』の中に多く出てきますが、お彼岸を仏教行事として行うようになったのは日本であります。
ある仏教の歴史家は、お彼岸法要は聖徳太子によって始められたと言いますし、また聖武天皇・桓武天皇によってと言う説もありますが、資料には桓武天皇の時、彼岸会が日本の各地で営まれていたことが残っています。いづれにせよ約千二百年~千三百年程前からあったことは事実であります。
中国の善導大師は『定善義』に『観経』の日想観を味わわれ次のように示されています。
「冬と夏の両時を取らず、ただ春と秋の二際を取る。その日正しく東より出て、真西に弥陀仏の国は日没のところに当たる」
要するに、春分・秋分の日には弥陀の浄土が、娑婆世界の真西になるから六波羅蜜を修め、また念仏し、彼岸すなわち仏国土を見て(観)そこに到らんことを念じなさいとすすめられるのであります。
もう一つこのお彼岸から学ぶことは、春分・秋分の日は昼と夜との時間の長さが同じで、暑くもなく寒くもない気候ですから仏教の教えであります「中道」を実践することであります。
「中道」は釈尊の悟りの一つでありますから、私たち仏教徒にとって大切な教えであります。何事も上や下・右や左に極端に偏らず、思想・行為は中道を進みなさい。そのことが無理なく自由に全てが進み、目的に達し得ると教えています。
解りやすく例をあげてみますと、私たちの食事がそうです。一回の食事に沢山食べ過ぎても苦しいだけで、身体をこわします。また少な過ぎても空腹でイライラしたり身体に良くありません。適度の量(腹八分目)の食事は、健康を維持してくれます。
これと同じように哲学・思想はもとより、宗教に至ってもあまり極端にかたよったものは危険であります。
仏教はこの中道を大切にします。そしてお彼岸の時、改めてその大切な教えを私たちに呼びかけて下さるのであります。
本願寺第八代蓮如上人は「御文章」でお彼岸について、次のように述べておられます。
春秋の両時天正・地正と申して
昼夜の長短なく
暑からず寒からず
仏法修行のよき時節なるにより
未安心の人は参詣の足手を運び
法会に出座するものなり
肝要と申すは
後生助け給えと信じ
雑行雑修をすてて
極楽往生すべきなり
春分・秋分の時は、気候にも恵まれ聞法に最も適した時でありますから、この時こそ聞法に励み、ただ心を一つにして弥陀の彼岸に到らしめるよう、このお彼岸をご縁にしてお念仏を喜ばせていただきましょうと、上人はお勧め下さっているのです。
オレンジ郡仏教会においても来る九月二十六日(日)、秋季お彼岸大法要をおつとめいたします。どうか、この良きご仏縁に聴聞下さいますようお願い申しあげます。
合掌 宮地
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