Orange County Buddhist Church

宗教という名の仮面をかぶった悪魔

  現代は、世界中に宗教という名のつく団体が数多くあり、人間の心に、社会に混乱を起こし平和・自由を願う正しい宗教と全くかけ離れたものが罷り通っています。

これらの新興宗教は、教義や行動が自己主義であり、自分たちは正しく、他は全て間違いであり、己の為には他人や社会に迷惑をかけるのは当たり前で、当然という恐ろしいものであります。

数年前、日本全体を恐怖に陥れ大混乱を起こしたオーム真理教(麻原彰晃代表)は、仏教の流れを汲む教えと云っていましたが、お釈迦さまのみ教えの中にサリンガスを使って罪のない人々を殺し、社会の平和を乱せとどこに教えておられるでしょうか。

では、何故このような新興宗教が起こり人々はついて行くのでしょう。

これらの団体の付け目は、私たちの欲望なのです。経済の発展と共に私たちの欲望は益々膨れ上がります。それを満足させてあげましょうと巧みに押し入ってくるのが、こういった団体なのです。

或る思想家は、

「宗教は、アヘンの様なものである」と云いました。欲に目がくらみ、なるべく苦労をせず、簡単な方法で自分の欲望を満たそうとする者はこの宗教の色に、見せかけのアヘン、現代のドゥープに直ぐ犯されてしまうのです。

真の宗教は、いつも「永遠なるもの」また、キリスト教的に表現すれば「絶対なるもの」に目覚めることに主眼が置かれなければならないのです。

仏教では、「無量寿」・「無量光」に遇わせていただき、無明煩悩の私が永遠なる光と寿に恵まれていく教えなのであります。

この娑婆の世界は、全てのものが常に流転し、刻々と移り変わり、諸行無常であります。

この私の命も無常の世界に生きています。故に老いていきます、病気もします。そして、最後は死んでいかなければなりません。ここに、人間がもつ基本的な苦の原因があると仏教は教えてくれています。

二ツ目は、煩悩の問題であります。

原始仏教や小乗仏教では、何とかこの煩悩を断ち切ることを試みました。故に、厳しい修行や苦行に専念しました。しかし、人間の持つ煩悩、すなわち欲はそう簡単に捨てきれるものではないと思うのであります。

では、仏教ではこの煩悩や欲望をどのようにして解決したらよいのでしょう。釈尊は、まず「執着から離れろ」と説かれました。

煩悩や欲の心とは、色々なものをいつまでも私のものとして所有したいという心なのです。また、すでに所有しているものは決して離したくないという執着な心をいいます。

人間は、所有しているものを失うことはとても苦痛であり、大変恐ろしいことであると思いこんでいるのです。故に私たちはいつも苦しみ悩むのです。

釈尊は、何も所有するなとおっしゃってはおられません。人間が生きているということは、煩悩の心がいつまでもまつわりついてきます。釈尊は、ただ

〈時と場所と状況が来れば、所有している私のものをいつでも離すことが出来る心構えが、煩悩や欲から解放される唯一の道である〉と教えて下さったのであります。

しかし、この事を実行する段になればなかなか難しいと云われる方もあるでしょう。確かに云うは易し、行うは難しであります。

特に愛する我が子を亡くした親の悲しみは、深く計り知れないものがあります。執着するなと云うほうか無理かもしれません。

しかし、どうかもう一度お釈迦さまのみ教えを聞いてください。

〈時・場所・状況が来れば所有している私のものを離すことが出来る心構え〉・・・必ず必ず解決の道は開かれます。これ以外の本当の解決の方法はないのであります。

小林一茶という俳人は、

「はだかにて
  生まれてきたに
   何不足」

と詠んでいます。一茶はまず、今の自分に満足し、執着の無い、自由でのびのびとし、また堂々とした人生を送られたことがこの俳句から窺えます。

一茶がこの句を詠んだ時は、何ひとつ自分のものは所有していなかったのでしょうか?

おそらく私たちと同じように日常必要なもの等は持っておられたと思われます。ただ彼の偉いところは、所有しているものに何ら執着をもっていなかったことです。地位も名も財産も、いざとなればいつでも捨てきる心構えがあったことがこの句でもわかります。

そうです、どうせ死んでいく時は何一つ持って行けないのです。

人間は死ねば皆、三途の川という河を渡るんだそうです。その河を渡る入り口の掲示板にはこう書いてあるそうです。

『どんなに大事なものでも
 荷物はみな捨ててください。
 自分のからだも捨てるんですよ』
      ー三途の川の番人よりー

おそらく、小林一茶もこの三途の川の入り口でこの注意書きを読まれたことと思われます。

さぁ、私たちはどうしましょう。

どうか皆さま、私たちの欲望を簡単に満たしてやるぞ!という宗教という名の仮面をかぶった恐ろしい悪魔にだまされないようにしてください。

                        合掌   宮 地

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